テクニカル分析は、現在の株価の流れを把握した上で今後の株価を予想する分析方法です。その基本はチャート分析にあります。
株の上昇下降のエネルギーに乗っかろうとする方法なので、比較的近い将来に有効とされています。それを補助するものにテクニカル指標がいろいろと存在しています。
ちゃんとした統計上の論理も踏まえたものですので、信ぴょう性はそこそこのものです。
それに対しファンダメンタルズ分析は企業の業績などを分析するものですから、比較的長期に有効とされています。どちらの分析をどれだけ重視するかは、各人の投資方法によって考慮するべきです。
テクニカル分析では、売買タイミングが日々変化します。上昇する力と下降する力が、その日はどちらが強いのかを探るわけです。
これは業績が良かろうが悪かろうが全く関係ありません。下がり過ぎたら買う、上がり過ぎたら売るの繰り返しをしようとするものです。
好業績が発表されて上昇してから買っても、その後急落する場合は日常茶飯事です。このような状況はテクニカル分析をすれば、むしろ空売りのタイミングなのです。
テクニカル分析の第一歩は、その銘柄の過去のチャートパターンを見ることです。
過去の何度も繰り返している動きに一定のパターンがあれば、その後も繰り返すことは多いのです。これは当たる確率が高いので試してみる価値はあります。
ローソク足と移動平均線は、それを助けます。過去に移動平均線に触ったところで上がっているとかの判断が出来る場合があるのです。
他にも数多くのテクニカル指標と言うのがあります。MACDやRSIなどの買われ過ぎ売られ過ぎを示す指標は有効なものです。
あまりに種類が多くて全部チェックしていては、大変なことになります。このうちから自分に合った指標をいくつか絞り込んでしまえば、利用しやすくなります。
これらを組み合わせて総合的に分析しましょう。実際に使って慣れてしまえば、短期売買は堅実な稼ぎになるはずです。
MACDこそはテクニカル指標の代表
MACD(マックディー)は、Moving Average Convergence and Divergenceの略で、日本語では、移動平均収束拡散指標と言います。テクニカル分析に使われます。MACDは、3つの指標の組み合わせになります。
・MACD
直近の値動きを強く反映しやすい2本の指数移動平均線から算出した数値をチャートにしています。一般には12日と26日平均から算出しています。
・シグナル
MACDの移動平均線になります。一般には9日平均をチャートにしています。
「OSCI」
上記MACDとシグナルの2本の線のかい離率を棒グラフにしています。算出式は難解ですが、覚える必要はありません。大事な使い方は、以下の2とおりあります。
1.MACDとシグナルの2本の線がクロスしたところを売買タイミングにします。
これで、短期的トレンドと株価水準の目安になるのです。MACD(通常、赤いライン)がシグナル(通常、青いライン)を下から上へ突き上げた時が、買いのタイミングです。言わばMACDのゴールデンクロスです。
逆に、MACD(通常、赤いライン)がシグナル(通常、青いライン)を上から下へ突き下げた時が、売りのタイミングです。言わばMACDのデッドクロスです。さらにそのクロスする角度が急であればあるほど、売買には好タイミングと言えます。
2.OSCIの推移から、トレンドの反転タイミングを読み取れます。上昇して高値圏に来ている株価の下降への反転、逆に安値圏からの上昇への反転のタイミングの指標になります。OSCIの棒グラフが上方に伸びている場合
これは直近の値動きをあらわすMACDが、MACDの平均値であるシグナルに比べて上方に離れていることになります。棒グラフが上に伸びている分だけ、直近の株価が割高になっていると言えるのです。
逆に、OSCIの棒グラフが下に伸びている場合同様に棒グラフが下に伸びている分だけ、直近の株価が割安になっていると言えるのです。
逆張りするならRSI
pRSIは、逆張り用のテクニカル指標としては最も優れた指標の1つです。直近の一定期間における終値の上昇幅の累計と下降幅の累計を積算します。
これを分母にして、上昇幅の累計だけを分子にした数値になります。0~100%の範囲で動くことになります。
これが50%以上であれば、全体としては上昇局面と言えます。一方、下降局面に入ると50%未満になるのです。
一般的に、RSIが80%以上であれば上昇し過ぎ、逆に20%以下であれば下降し過ぎと捉えられています。RSIの期間は、日足では9日~52日くらいです。週足では9週~13週くらいで利用されています。
株価の動きは個々の銘柄によって違います。上下の振れ幅も違えば、そのスピードも違います。あくまでもRSIは、それぞれの銘柄の特徴を把握した上で参考にするべきものでしかありません。
全体的には指標自体が単純すぎて、あまり信ぴょう性の持てない場面も数多く見受けられます。それは何かの材料があるなどのニュースによって強力なトレンドが出来ている場面等です。
あまりに買われ過ぎと思われる数値になっても、そのまま上昇を続けたりもしています。逆にどう見ても売られ過ぎの数値が出て買っても、そのまま下降を続けられたりもするのです。
割と信ぴょう性のある場面は、激しいトレンドでは無い持ち合い局面や緩やかなトレンドに載ってる場面です。このような場面以外では、はっきり言って利用の価値はありません。