「株を買おう」と思ってもどれを買えば良いのか、どうやって決めますか?いろんな指標がありますので、それぞれにマッチした銘柄を選びたいものです。
そんな時に役に立つのが、スクリーニングです。スクリーニングとは、設定した条件に合った投資銘柄を抽出することです。
証券会社によってまちまちですが、今ではあらゆる条件が設定出来るようになっています。PER、PBR、自己資本比率、売上成長率などの指標の条件を入力して検索をかけると、多くの上場企業の中から合致した銘柄が表示されます。
それだけで一つに絞られませんので、最終的には、自分の勘で決めることになります。このさまざまな抽出条件は、トレードの手法によって違います。
デイトレードをしたい人なら、日中の値動きが良くなければいけません。そこで考えられる条件は例えば以下のようになります。
・売買代金ランキングとTICK回数ランキングの両方において、この2、3日上位になっている。
・売買代金30位以内に入っている。
絞られた銘柄の中から、日足や日中足チャートで自分なりに予測に自信の持てる銘柄、ニュースのある注目銘柄などを選択します。
中期で利益を狙いたいのなら、割安株を探したいところです。
そこで考えられる条件は例えば以下のようになります。
・PER:平均以下
・PBR:平均以下
・配当利回り:平均以上
・自己資本比率:平均以上
・一日平均売買代金:平均以上
長期で利益を狙いのなら、成長株を探したいところです。
そこで考えられる条件は例えば以下のようになります。
・経常利益変化率10%以上
・自己資本比率50%以上
ただ、やたらといろいろな指標を気にし過ぎても、かえって疲れるばかりになります。自分の好きな指標にある程度絞り込んだ方が、シンプルに考えられますので継続にも繋がります。
どんな指標が自分に合うのか有効なのか、変化もしていきます。常にいろいろな指標の研究もしながら、スクリーニングの条件も変えていければ申し分ありません。
出来高は人気投票のようなもの
出来高とは、株が実際に売買された取引量のことです。例えば、1,000株の売買が成立したとすると、その出来高が1,000株となるのです。要はこれでいかに売買がなされているかと言うことが分かるのです。
出来高が増えていれば、その銘柄に人気が集まってきていることを意味します。出来高が増える代表的な原因には、次のようなものがあります。
1.良くも悪くもニュースや決算などの発表のようなファンダメンタルなもの
2.株価の上昇に釣られた投資家による資金の流入
3.株式分割等による流動性の向上
4.外国証券会社などの機関投資家の空売りにより発生した買い戻しによる暴騰
このような売買が頻繁に行われている銘柄は、デイトレードをするのに適した銘柄となります。デイトレードは日中の値動きが小さければ、利益が取りにくいからです。
人気が急に集まってきた銘柄は、上昇するばかりでなく利益確定の売りも入って値動きも激しくなるものです。実際、過去に急騰した銘柄の出来高の推移を見れば、それは明らかなのです。
株価が上昇するには、まずはそれだけの上昇を支えるだけの人気が集まらなければ無理な話です。その人気の度合いを判断する指標が出来高だと言えるのです。
株価が上がってないけど出来高が上がっている株は、株価も上がってきます。このようなシンプルな理論は知っておくべきです。これを知っておくだけでも、上昇銘柄を安いうちに買えるようになります。
一日の出来高が昨日の出来高の概ね10倍以上の銘柄をスクリーニングすれば、人気の集まった銘柄と言えます。明日の値動きが期待に沿えるものとなりやすい銘柄です。
また、株価がチャート的に十分調整の進んだ位置に来たとしても、出来高が小さいうちはそのまま動かない可能性が大きいものです。
チャートだけ見て安易な資金を投入しないためにも、有効な指標となっています。とにかくどの場面でも「出来高の上がってない銘柄には、目を向けるな」と言うことになります。
株価純資産倍率で底値を探る
株価純資産倍率は、Price Book-value Ratioを略してPBRと呼ばれてます。株価の割安度を判断するファンダメンタル分析に使われる指標のひとつです。小さければ小さいほど、割安とされています。
PBRは、企業の時価総額(市場の評価額)が、会計上の解散価値となる純資産(株主資本)の何倍になるかを表しています。PBR=株価÷一株当たり純資産(BPS)で算出され「~倍」と表記されます。
つまり、株価と純資産が一致するとPBR =1倍となり、投資した金額と解散した時にもらえる金額が同じになるのです。
これが1倍を超えますと、企業が解散した時に、もらえる金額は投資した額より少なくなります。反対に1倍未満ですと、企業が解散した時でも、投資した額より多くもらえることになります。
でも、解散したのに投資した金額より多くもらえるのは理解しづらいことではあります。要するに、現実に市場がつけている株価が実際に評価されるべき株価より低い場合にはあるのです。
このような場合、PBRが低い銘柄の企業を買収するだけで儲かる場合があるのです。ですから、そのような企業は買収されないよう自社株買いや増配など行い、株価が上がるような対策を時折行っているのです。
一般的に割安と言われるのは1.5倍以下とされていますが、これだけで判断するのは早計です。PER(株価収益率)合わせて判断指標にされています。
「PER≦15倍かつPBR≦1.5倍」くらいが割安の目安とされています。各証券会社ではこのような条件設定をして、簡単にスクリーニングが出来るようになっています。
PBRは過去のPBRと比較して、特に底値を探すのに便利な指標と言われてます。一般的な底値は1倍前後です。1倍と言うのは、企業の解散価値と同じだからです。
ただし、低ければ低いほど割安と思ってはいけません。過度に低い銘柄は倒産のリスクを抱えていますので、業績をチェックしておきましょう。
配当で稼ぐなら配当利回りを気にする
配当金は、企業が出した利益を株主に還元するものです。株で配当金収入を狙う投資家にしてみれば、配当金の多い銘柄を選びたいものです。
単純に一株当たりの配当金では比較できません。株価が違うからです。そこで配当金を金利のような計算で算出したのが配当利回りになります。
まだ決定しない配当金で配当利回りを算出する場合は、配当金の予想値を用いています。予想配当利回りは、一株当たりの予想年間配当金を現在の株価で割ることで求められます。 これが実際のところ、よく利用されてます。
株価800円で予想一株当たり年間配当金20円の企業の予想配当利回りは、20÷800=2.5%です。
株価500円で予想一株当たり年間配当金15円の企業の予想配当利回りは、15÷500=3.0%です。
このように配当金は低くても株価が低ければ、配当利回りは高くなるのです。つまり株価が上がれば、配当利回りは下がります。株価が下がれば配当利回りは上がるのです。
それに予想配当も予想の範疇でしかないものです。ですから期待していても、減配とか無配とかもありえるのです。
株価が上下するほど日常頻繁にはありませんが、配当も上下することがあります。一般に株価が大きく下げると、配当も下がり減配や無配になる傾向ではあります。
それにしてもそこには時間差もあるので、その間は配当利回りは上昇することになるのです。その逆もあります。株価が上がっても増配にならなければ、配当利回りは下降するのです。
中位株と低位株とはどう違う?
株にはいろいろな種類があります。その分類方法の一つに、株価そのものがあります。株価の高い株を値嵩株(値がさ株)、中くらいの株を中位株、安い株を低位株としています。
中位株が低位株と違うのは、有名企業の多い値がさ株と同様、株価収益率や配当なども高く、将来的に安定した業績が期待出来るところです。
では、株価の高い安いの基準はどこで線を引いているのでしょうか?そんな線引きはしていません。あくまでも比較的なもので、明確に基準は設けられてはいません。
一般的な目安はあります。だいたい次のとおりです。売買単位が100株単位の銘柄であれば、1,000円以下の株価の銘柄が低位株、1,000円から3,000円くらいの株価の銘柄が中位株と呼ばれているようです。
売買単位が1,000株単位の銘柄であれば、500円以下の株価の銘柄が低位株、500円から1,500円くらいの株価の銘柄が中位株と呼ばれているようです。
一般に株式相場が上昇トレンドに入ると、株価の高い銘柄の順番に上昇すると言われてます。まず、値がさ株から人気に火がつき、いったん落ち着いた頃に中位株が上昇し、それが落ち着くとさらに低位株へと資金が流入してくるのです。
低位株で業績の良い銘柄を探せば、安値も限られていますので、安定した投資妙味もあると言われてます。また、最小投資金額も小さくてすみます。さらに株価の変動率も大きくなります。
一般には値上がりの際は一気に上昇しやすいと言うメリットがありますが、それは同時に一気に下降もしやすいことになります。
デイトレーダーには、好まれる株です。値動きが良いので、よく仕手株にもされがちです。
低位株のうち100円にも満たない株は、ボロ株とも呼ばれています。ボロ株になると投資するには、倒産の危険性が高いとも言われています。
これだけ低過ぎる株は、動くときには突然大きく動きます。儲けは大きいですが、リスクも高く初心向けの株ではありません。